起きてみると頭痛が続いていたので薬を飲もうとしたが、
我が家には風邪薬は置いていなかった。
そのまま大学に向かった。
前日には夕勤として働いていたのだが、歯が痛くてたまらなかった。
頭痛が歯に伝播していたようだった。
電車の中でますます頭痛は酷くなり、1限目になると、
あちこちの関節まで痛むようになった。
だるさと関節痛、喉の痛みと
頭痛に耐えられなくなり、早退することにした。
大学というのは薄情者の集まりだ。
教務課で早退届を出そうとすると、事務員は迷惑そうに書類を
一枚出して「診断書を出して下さい」と言った。
今日中に行かないといけないそうだ。
家に帰るとカルシウムが溶けているのを実感した。
各関節のカルシウムを風邪のウィルスが食い荒らしている。
横になっていると、時間が一時間、一時間半、三十分といった
ふうに、瞼を開けるたびに切れ切れに流れた。
肘や膝が熱くなっている気がしていたが、発熱はしていなかった。
妙に残念になる。
子供の頃からお世話になっている診療所は世代交代が
ほぼ完了しているのだが、今日はたまたまおじいさん先生の
担当日だったらしい。
順番になって診察室の前まで行くと、「先生!前の患者さん、
あの薬じゃダメですよ!」と慌てた声が聞こえた。
医師の「ちょっと待ってくださいね〜」というのんびりした声が
聞こえ、「風邪ですね」と予想通りの答えが返ってきた。
翌日分も診断書を書いてもらって帰ったが、『急性上気道炎』って
なんだろう。
風呂に入って早めに寝ることにする。
最近は栄養素などに
気を付けることなどなかったのだが、病気になると無性に気になる。
ポリフェノール(チョコレート)とらっきょう(『一日五粒』)を食べ、
野菜ジュースを飲んでから風呂に入った。
厚着して寝よう。
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